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いずれにせよ、その隔たりは現実のものであり、実際に役に立つものではあるのだが、同時にそれは誤解を招くおそれのあるものでもある。

いずれにせよ、その(へだ)たりは現実(げんじつ)のものであり、実際(じっさい)(やく)()つものではあるのだが、同時(どうじ)にそれは誤解(ごかい)(まね)くおそれのあるものでもある。
In either case, the division is real and useful; but it can also be misleading.
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現代の日本で錬金術といえば、比喩的にしか使われない。モラルや羞恥心と無縁の政治屋や宗教家が、不正な手段でカネもうけをするときに。

現代(げんだい)日本(にっぽん)錬金術(れんきんじゅつ)といえば、比喩的(ひゆてき)にしか使(つか)われない。モラルや羞恥心(しゅうちしん)無縁(むえん)政治屋(せいじや)宗教家(しゅうきょうか)が、不正(ふせい)手段(しゅだん)でカネもうけをするときに。
In present day Japan, "alchemy" is only used metaphorically; to refer to improper means of making money by politicians or religious hucksters with no morals or shame.
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現代科学で何かが重要かを特定することは判断の問題であり、自分が正しいと知ることはできないのだということも言っておかねばならない。

現代(げんだい)科学(かがく)(なに)かが重要(じゅうよう)かを特定(とくてい)することは判断(はんだん)問題(もんだい)であり、自分(じぶん)(ただ)しいと()ることはできないのだということも()っておかねばならない。
It must also be said that spotting what is important in current science is a matter of judgement, one cannot know that one is right.
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そして、だからこそ、ほぼ百年にわたって、従業員はだれでも雇用者のところに行って、現金による賃金支給を要求できるようになったのです。

そして、だからこそ、ほぼ(ひゃく)(ねん)にわたって、従業員(じゅうぎょういん)はだれでも雇用者(こようしゃ)のところに()って、現金(げんきん)による賃金(ちんぎん)支給(しきゅう)要求(ようきゅう)できるようになったのです。
And that's why for almost a hundred years, any employee has been able to go to his employer and insist on being paid in cash.
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僕はもっとずっと後に、科学哲学を勉強していたとき、実験というのは既存の知識に対する現実の不満から生じるべきものだということを学んだ。

(ぼく)はもっとずっと()に、科学(かがく)哲学(てつがく)勉強(べんきょう)していたとき、実験(じっけん)というのは既存(きそん)知識(ちしき)(たい)する現実(げんじつ)不満(ふまん)から(しょう)じるべきものだということを(まな)んだ。
An experiment, I would learn much later, when studying the philosophy of science, had to arise from a real dissatisfaction with existing knowledge.
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もちろん、実際に「はやぶさ」が太陽に近づいているわけではなく、図のように地球から見て太陽の反対側に位置するだけですが、このような現象を「合」と呼びます。

もちろん、実際(じっさい)に「はやぶさ」が太陽(たいよう)(ちか)づいているわけではなく、()のように地球(ちきゅう)から()太陽(たいよう)反対側(はんたいがわ)位置(いち)するだけですが、このような現象(げんしょう)を「(ごう)」と()びます。
Of course "Hayabusa" is not actually closing in on the Sun, it is just positioned as in the figure so that, seen from the Earth, it is on the opposite side of the Sun; this is called 'conjunction'.
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そんな風に言うと4語で済むところが27語も必要になるし、長たらしい表現の伝えるストレートな内容は理解してもらえるだろうが、説得力は失われてしまうであろう。

そんな(かぜ)()うと4()()むところが27()必要(ひつよう)になるし、(なが)たらしい表現(ひょうげん)(つた)えるストレートな内容(ないよう)理解(りかい)してもらえるだろうが、説得力(せっとくりょく)(うしな)われてしまうであろう。
That would be twenty-seven words instead of four, and while the bare message of the longer statement would be understood, the persuasive force would be lost.
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そこで、子供らしさが、徐々に失われていく現状への反省から、教育制度や社会の仕組みといった根本的なものの見直しが、今、真剣に考えられるようになってきている。

そこで、子供(こども)らしさが、徐々(じょじょ)(うしな)われていく現状(げんじょう)への反省(はんせい)から、教育(きょういく)制度(せいど)社会(しゃかい)仕組(しく)みといった根本的(こんぽんてき)なものの見直(みなお)しが、(いま)真剣(しんけん)(かんが)えられるようになってきている。
The loss of childhood spontaneity has caused widespread concern, as well as calls for review of the nation's educational and social structures.
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すべての芸術作品の中で最高の作品の中にはあらゆる事が実現されており、私は何も与える事ができず、私の落ちつかない心は、ただ受動的に見つめる事に飽きて仕舞うのだった。

すべての芸術(げいじゅつ)作品(さくひん)(なか)最高(さいこう)作品(さくひん)(なか)にはあらゆる(こと)実現(じつげん)されており、(わたし)(なに)(あた)える(こと)ができず、(わたし)()ちつかない(こころ)は、ただ受動的(じゅどうてき)()つめる(こと)()きて仕舞(しま)うのだった。
In the greatest of all works of art everything had been realized, I could give nothing, and my restless mind tired of passive contemplation.
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この組織は、現状のままに、ほうっておかれるならば、やがて、破滅するだろう。だがこの組織を、復旧させようとすることは、川を渡っている最中に、馬をとりかえることと同じように難しい。

この組織(そしき)は、現状(げんじょう)のままに、ほうっておかれるならば、やがて、破滅(はめつ)するだろう。だがこの組織(そしき)を、復旧(ふっきゅう)させようとすることは、(かわ)(わた)っている最中(さいちゅう)に、(うま)をとりかえることと(おな)じように(むずか)しい。
If this organization is left as it is, it will soon go bankrupt; its recovery is as difficult as swapping horses while crossing a stream.